どうも。
単行本発売前から涙を流していたDHeです。今も流しています。
ついに『かぐや様は告らせたい』14巻発売されましたね。この巻では、果てしなく続くかと思われた“恋愛頭脳戦”もいよいよ1つの節目を迎える展開となっています。
今回の記事は、ストーリー大部分へのネタバレ(だいぶ抑えられていない)が生じています。よって14巻までのストーリーを既に把握している。もしくは、ネタバレに抵抗の無い方向けの記事となっております。
でも安心して、筆者はネタバレ記事見ちゃって全巻買った人だから………
そのくらい「かぐや様」は面白いって話よ!では前置きはこの辺で、本編いってみよー

前回までのあらすじ
白銀御行のことを“好き”だと認めた四宮。文化祭当日、2人のムードが最高潮に達しようとしていた時,白銀本人の口から、飛び級でスタンフォード大学へ進学することが言い渡される。
それを聞いた四宮は、すかさず早坂へ相談を持ちかけ、告白計画を練ることに…
第132話 かぐや様は告りたい②
かぐや様にとって、会長と離れ離れになってしまうことは、重大なピンチであることに変わりはありません。しかも会長が進学するのは海外,尚且つかぐや様でさえも入学するのが難しいレベルの超難関校…選択肢は絞られます。
残された期間で、しっかりと形に。
これから残り少ない会長との時間を濃密で,意義のあるものにする。そして会長が旅立ってしまっている間も、その関係が揺らぐことの無いように…
となると前提に必要なことはたった一つ、恋人となること。
白銀が生徒会長となってから、あれやこれやで会長から告白させようとしていたかぐや様でしたが、少し前に心の底から『好き』であることは認めました。でもいざ告白するとなると分からないことだらけ。早坂と共に、会長を確実に落とせるような言葉を模索します。
not emotional !!
ここで“エモい”についての意味を知っておきましょう。
エモいは、英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本語の形容詞。感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「哀愁を帯びた様」などに用いられる。
なるほど。つまり想いというものは、心の奥底から感情的に伝えねばならない。と言っているワケだ(?)
それに付け加え、具体的に会長のどういった部分が好きなのか,を言葉に乗せるべきと早坂は提言します。
するとかぐや様は——
傍から見た会長の素振りが好き
寝不足で常に鋭い眼が好き
常に正直で、前向きなとこが好き
溢れる『想い』
本当はずっと会長と一緒にいたい。でもそれは叶わぬ願い。
だからせめてもの会長が旅立ってしまう前の、残りの時間だけでも一緒に過ごしたい。
会長が大きく躍進できる「喜び」,出逢った時から持つ、会長に大しての大きな「愛情」,でも確実に訪れる“別れ”への「哀しみ」
入り乱れた感情が、涙となり零れます…
どうにかしたいけど、どうしようもない。そんな矛盾した、口惜しい感情が溢れてしまったのでしょう。
2人は改めて、告白を「絶対成功させる」と誓うのでした。
第135話 「二つの告白」中編
これまでに様々な駆け引きを行ってきたかぐや様と会長。しかし両者共に言葉…もとい、明示的な『告白』までには至っていません。
ですが時を重ねるごとに、距離が縮まっていくことを二人共感じていました。そこに突如舞い込んだ、会長の海外留学。かぐや様にとって、今この瞬間こそが天王山。
両者、対峙。
シチュエーションは段取りこそ違いましたが、かぐや様の想像通り。あとは想いを言葉に乗せ伝えるだけ………でも
私だけが一人で勝手に舞い上がっていただけだとしたら
会長にとって私が『特別』じゃなかったら
——もし想っていたのが私だけだったら
大きすぎる「不確定要素」
…そう考えると恐怖で声さえ出すことができません。だから“かぐや様は告らせたい”
会長から告白してくれれば成功することは間違いなし。変にリスクを背負うことも無く、より穏便かつ,確実。だから、かぐや様は『待つ』ことしかできなかったのでしょう。
しかし、意図こそ違えど“会長も告らせたい”。かぐや様から告白ができないことを察した会長はとっておきの手段を講じます。
溢れんばかりの『想い』
言葉にはできない。
でもどうしても伝えねばならない。
第136話 「二つの告白」後編
かぐや様との決着をつけるために、会長の講じた『告白作戦』は海外留学を決めた頃から計画されていました。
白銀が生徒会長となり、そこで得た様々な経験を基に練られた渾身のシチュエーション。並大抵でない想いが込められています。
全ては——
文化祭の様子をたった2人で眺望できるロマンティックな場所で、空中に舞う大量のハート…言葉で贈られていなくとも、会長の気持ちは、十分なほどかぐや様に伝わります。
『想い』を受け止める
これまで多少の歪みはあったものの、会長に猛アタックをしてきたかぐや様。今まで『言葉』をずっと求めたものの、あと一歩,もう少しのところで聞けなかった。でもこの瞬間、言葉無きこのアプローチは『言葉』よりも遥かに美しい『告白』であったのでしょう。
かぐや様は安堵と幸福に溢れた優しい笑みを浮かべます。
一方の会長は、これからが本題といった様子。
確かに告白をするだけというなら、読者側から考えても、わざわざ学校の行事をジャックしてまでするような行為では無いことは容易に想像できます。たとえラブコメという“創作物”であることを前提としていても、いくらかの疑問は残るものです。
では真の目的とは一体?
——運命を共に
四宮と共に居たい。
かつて会長が想い描いたのは、四宮と肩を並べて話すこと。たったそれだけの為に、努力を積み重ね生徒会長へと就任。1年を経てその想いは実りますが、想いはそれだけにとどまらず、いつしか、共に人生を歩みたいと願うまでに大きく膨れ上がりました。
会長の魂が籠ったこの言葉を受けたかぐや様は、当然狼狽え,悩みます。
由緒ある四宮家の正統後継者として生まれたかぐや様。いくら会長が好きだからといって、四宮家をそう簡単に手放す訳にはいかないハズ。でも…
熟考しての判断だぞ!
会長は自分だけのために、寝る間を惜しんで準備をし,文化祭をジャックしてまでありったけの想いを伝え,人生を貴女と共にしたい,と言ったわけです。そのためなら、強大な敵を作ってしまおうとも、その想いに答えねばならないと感じたのでしょう。
………
これにて「二つの告白」は一件落着…と思ったそこのアナタ!
この作品のサブタイトルをもう一度読み返してみてください。そう、“恋愛頭脳戦”なのです。ラブコメであろうと繰り広げられているのは“戦”
この『言葉無き告白』で既にカードを使い切った白銀に対し、かぐや様にはカードがまだ残っていたのです。
四宮かぐやという人間がどのような人物であったか。施しを受ければ当然恩として返す。勝負となればしっかり努力をし、勝利すれば当然喜び、敗北すれば当然悔しがる…
何であろうとタダでは済まさない。
そう、やられたらキッチリやり返す人物なのである!!!
ウルトラロマンティック!!!!!!
会長から受けた『言葉無き告白』をそっくりそのまま,自身の『想い』と共に『行動』でお返し。作中で幾度も繰り広げられた“恋愛頭脳戦”の中で間違いなく、最も美しい決着と言えるでしょう。
そして、最後にかぐや様が一言
これが 私の気持ちです
「二つの告白」編
これにて堂々終幕
まとめ
100話分のやりとりを越えて、2人の関係を成就させるに相応しいと十分に感じた巻。
メインストーリーの“ラブ”の重要局面であっても“ラブコメ”の“コメディ”の部分もしっかりと押さえられており、ラブコメ特有の笑いあれば感動あり,というカテゴリーの二面性をどちらも遜色させること無く、構成されていました。
これまで繰り広げられてきた“恋愛頭脳戦”とは一味違う雰囲気を醸し出しており、少年少女の関係では無く、しっかりと男と女,天才と天才の恋愛模様が描かれていました。また、端から見れば痴話喧嘩に見えてしまうような今までのやり取りはなく、当人でさえも結果がどうなるか一切分からないが故の、柔らかくも重くのしかかる緊迫感,に包まれていました。
それでも最後は、重要な局面では白銀が四宮を救い出してくれるように、話の落とし所が良く押さえられています。ですので、読み終わった後でも内容をいくらでも反芻できる、そして気持ち良く続きを心待ちにできる作品でした。
本記事で説明されてはいませんが、大小問わずの伏線もしっかりと回収されていて、非常に飲み込みやすいストーリー展開で楽しむことができました。
具体的にどのように伏線が仕込まれるのかについては、コチラの記事を参考にどうぞ。
dhe-second-life.hatenablog.com
余談
本記事を作成するにあたり、物語を詳細まで理解するために、何度も読み返しては涙を流し、抜粋に最適なコマを探していたと思いきや、決着まで泣きながら読み進めていたり…ある意味記事にするのが大変難しい作品でした……
今回はここまで
最後まで読んでいただきありがとうございました。
最新コミックス情報

かぐや様は告らせたい 14 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
- 作者: 赤坂アカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/03/19
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